藤原 将
    合同会社ユートミー代表。ライター / 編集者 / 著者。
    SEO記事の制作から電子書籍の執筆代行まで、あらゆる “書く” を専門としています。

    »著書
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    電子書籍の出版は、デジタルコンテンツの販売であるため原価を抑えやすく、粗利率の高いビジネスとしての特性を持ちます。

    また、書籍の形態をとっているため「一対一(著者と読者)の関係」を作りやすく、読者のファン化やリード獲得にも有効です。

    インプレス総合研究所の『電子書籍ビジネス調査報告書2020』によると、電子書籍の市場規模は2012年度から右肩上がりが続いているとのこと。

    2019年度には、電子出版の市場規模が3,750億円(前年比120%)になり、いま破竹の勢いで成長している領域だと言えます。

    電子書籍の定義は広く、出版媒体も複数ありますが、今回はもっとも市場の大きいAmazon(Kindleストア)に電子書籍を出版する方法をご説明します。

    Amazon(Kindleストア)に電子書籍を出版する手順

    Amazonに電子書籍を出版する手順は、4ステップに大別できます。

    1. 電子書籍の企画~執筆
    2. 電子書籍化(epub形式への変換)
    3. 書籍の表紙デザインの作成or外注
    4. KDP(kindle direct publishing)の手続き

    電子書籍の企画~執筆

    電子書籍の企画とは、書籍のテーマやトピックの選定を指します。同じ領域の内容を書く場合でも、情報の見せ方によって魅力度は変わるため、企画段階のうちに「どのくらい売れそうか」が決まるものと考えられます。

    電子書籍の執筆は、文字通り原稿のライティング(執筆)です。原稿のクオリティは出版直後の購買動機に直結しないものの、読者の満足度や評価を左右するため、長期的に見ると売上に関わる要素です。

    コンテンツ制作に慣れていない場合は、社内外にいる企画・執筆に慣れた人材の協力を仰ぐほうが、印税収入・集客効果・ブランディング効果は高まるものと考えられます。

    電子書籍化(epub形式への変換)

    生原稿をそのまま電子書籍化することも可能ですが、読みやすいデザインに整えることは読者に対する礼儀です。

    Webメディアの記事のように、電子書籍もCSSというコンピュータ言語を使い装飾・レイアウト調整ができるため、コンテンツとして消費しやすい形に整えることを推奨します。

    最終的に原稿はepubと呼ばれる形式に変換し、KDPという名称のAmazonのサービスに入稿します。

    書籍の表紙デザインの作成or外注

    先ほど「どのくらい売れそうか」は企画段階のうちに決まると解説しましたが、表紙デザインは企画と同じくらい、またはそれ以上の重要性を持ちます。

    出典:Amazon「Kindleストアの売れ筋ランキング

    いかがでしょうか。電子書籍のクオリティがどのようなものか、この画面からは分かりません。一瞬、目に入ったときの印象をもとに、Kindleユーザーは書籍の詳細ページを見るか否かを判断するのです。

    そして、表紙(色・文字・レイアウト)は電子書籍の印象を大きく左右します。チープなデザインの表紙であれば、潜在意識下では「安っぽい内容なのだろう」と判断がなされるでしょう。

    企画~執筆よりも難度は高いため、デザイン能力に自信がない場合には、プロに発注することを推奨します。

    KDP(kindle direct publishing)の手続き

    本章は、弊社代表ブログ『Kindleで自費出版(KDP)やってみた』より抜粋・一部改編

    原稿・表紙データはKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)にアップロードすることとなるため、Kindle制作の合間にKDPへの登録を進めておきましょう。

    すでにAmazonのアカウントがある場合は「サインイン」を、Amazonのアカウントがなければ「サインアップ」から「KDPアカウントを作成する」へ進むことで登録できます。

    その後、利用規約に同意すれば以下のような画面に遷移します。

    出典:Amazon「KDP

    「アカウント情報が不完全です」といった表記が出ているかと思うので、「今すぐ更新」を押して登録を進めていきましょう。

    以下の情報を記入することとなります。

    • 住所・電話番号
    • 印税収入を受け取る銀行口座
    • 税務情報に関するインタビュー

    税務情報に関するインタビューは「TIN値(納税者ID)を入力してください」といった要求があり面倒なのですが、こちらのサイトの方がAmazonに直接質問してくださった情報によると〝日本への出版が主ならTIN入力は必須ではない〟と解釈できます。

    TINを入力しなければ、米国(Amazon.com)でKindleが売れたときに30%の税金を課せられるのですが、税務情報に関するインタビューを終えた段階から日本(Amazon.co.jp)で売れたKindleに関しては米国の源泉徴収制度の対象外になるとのこと。

    冒頭でも話しましたが、アメリカに情報を提供するということがまず一番です。
    その他にAmazon様の回答によると、

    “Amazon.co.jp など、Amazon.com 以外の Amazon Kindle ストアでの売り上げに対するロイヤリティは、税に関するインタビューを完了した時点で、米国の源泉徴収制度の対象外として扱われます。Amazon.com で獲得されたロイヤリティにのみ、30%米国源泉徴収税が適用されます。”

    つまり、登録が完了した時点で「Amazon.com」を通して購入された場合は30%の源泉徴収税がかかってくるけど、アメリカ以外のAmazon Kindle ストア(例えば、「Amazon.co.uk」など)での売り上げの支払いに対しては源泉徴収税はかからないということ。

    引用:トラエラ人「Kindle『税に関する情報』勘違いしてる人多すぎ!?直接KDPに徹底的に問い合わせてみた!

    法人で登録する場合は、法人番号を入力してください。

    その後、タイトル・キーワード・内容紹介・販売価格等を設定します。

    KDPの登録を一通り終えると「アカウント情報が不完全です」の表記が消えます。電子書籍の原稿が完成している場合は、以下画像の左側にある「電子書籍または有料マンガ」をクリックしてください。

    出典:Amazon「KDP

    クリックすると、Kindleの詳細情報を入力する画面が表示されます。「オプション」と表記されている項目以外は入力必須なので、それぞれ情報を書き入れていきましょう。

    基本項目のうち、以下はとくに重要度が高いものです。

    本のタイトル読者がどんなキーワードを検索したとき、電子書籍が表示されるべきか逆算してタイトルを付けます
    内容紹介電子書籍がどのような内容を扱ったものか、具体的にイメージできるよう概要を記載します
    出版に関して必要な権利ご自身が著作権者なら「私は著作権者であり……」をチェックしてください
    キーワードタイトルに入れられなかった「読者が検索しそうなキーワード」を積極的に入れます(設定推奨)
    カテゴリー電子書籍がどのカテゴリーに属するか選択してください(指定通りにならないケースもあります)
    年齢と学年の範囲成人向けコンテンツでなければ「いいえ」を選択します

    上記項目の設定を終えてつぎの画面に進むと、以下のような項目があらわれます。

    言語横書き・縦書きのどちらかを選択し、原稿をアップロードしてください(DRMは説明を確認のうえ選択)
    Kindle本の表紙事前に用意した表紙データをアップロードしてください
    Kindle本のプレビュープレビュー表示からレイアウトが崩れていないか確認してください
    Kindle電子書籍ISBNKindleの場合は入力不要です

    ここまでの設定を終えると、最後につぎの項目があらわれます。

    KDPセレクトへの登録設定は任意です(読者が月額課金サービスで電子書籍を読めるようになり、露出とダウンロード数が伸びます)
    出版地域出版対象とする地域を選んでください(通常は日本)
    ロイヤリティと価格設定ロイヤリティ(印税率)とKindleの販売価格(後から変更可能)を設定してください
    本のレンタルロイヤリティ70%の場合は強制的に登録されます

    オプション表記のない項目の設定を終えると「Kindle本を出版」のボタンをクリックできます。

    出版手続き後は審査が行われ、問題がなければ数日のあいだにAmazon(Kindleストア)上に出版される仕組みです。

    ※ここまで、弊社代表ブログ『Kindleで自費出版(KDP)やってみた』より抜粋・一部改編した内容です。

    電子書籍を出版する4つのメリット

    ユートミー出版は、以下の4つを「電子書籍を出版するメリット」と考えています。

    • 印税収入を得られる
    • 集客媒体として機能する
    • ブランディング効果がある
    • 商業出版の可能性がある

    それぞれ詳細を解説します。

    印税収入を得られる

    Amazon(Kindleストア)に電子書籍を出版する場合、書籍が1冊売れるたびに「販売価格の35%又は70%のロイヤリティ(印税)」を受け取れます。

    著名人以外が出版する紙書籍の印税率は、およそ5~8%程度と言われているため、電子書籍の収益性は高水準です。

    なお、35%と70%の違いは「出版媒体」と「販売価格」によって決まり、Amazon(Kindleストア)独占販売としつつ、販売価格を250~1,250円に設定した場合にのみロイヤリティが70%となります。

    諸要素を勘案して決めるべき部分ではありますが、出版媒体を広げると管理コストも増えるため、現状はAmazon(Kindleストア)内に絞った出版で問題ないように思われます。

    集客媒体として機能する

    ユートミー出版では「教育ビジネスのカリキュラムを書籍化する」という手法を提唱していますが、このように読者へ〝体験〟を提供する電子書籍は著者への信頼が集まりやすいと考えられます。

    読者に与える体験価値が優れていれば、あからさまなメールマガジン登録・SNSフォローへの誘導を行わずとも、ファン化した読者が自然と集まる点は電子書籍のメリットです。

    ブランディング効果がある

    電子書籍の出版は、多少の専門知識さえあれば難しくないため、紙書籍のように「選ばれた人のみが出版できる」というものではありません。

    しかし、電子書籍であっても「書籍を出版した」という事実は、権威性(錯覚資産)の獲得に効果を発揮するものと感じています。

    また、戦略が当たればAmazon(Kindleストア)内でベストセラー表記が付与されるため、Kindleベストセラー著者の肩書きを手に入れることも可能です。

    商業出版の可能性がある

    電子書籍の売れ行きが良ければ、出版社の編集者から「弊社で出版しませんか?」と声をかけていただけます。私も複数の出版社から声をかけていただき、電子書籍の紙書籍化を行いました。

    この際に電子出版の可能性を思い知ることとなり、ユートミー出版の立ち上げに至ったのですが、いまだ「紙書籍の著者」はKindle著者の肩書きより権威性があるため、商業出版の可能性を求めて電子出版から始める選択肢も良いかと思います。

    さまざまな意見があるかと思いますが、商業出版を狙って電子出版を実施するのであれば、以下のような条件を満たす電子書籍が有利かと考えています。

    • 単体で「商品」として完結している
    • 時代に即したテーマを扱っている
    • 露骨に自社の宣伝をしていない

    ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです。

    電子書籍を出版したあとにやるべきこと

    出版後にやるべきことは、大きく2つです。

    • ブログ・SNS・メルマガを使った宣伝
    • 電子書籍のカテゴリー再申請

    それぞれ詳細を解説します。

    ブログ・SNS・メルマガを使った宣伝

    電子書籍の出版後は、商品ページのリンクを添えて宣伝することを推奨します。

    以下のように、どのような電子書籍なのか解説しつつ、購買意欲をそそるような文言を入れると良いでしょう。

    もしも、出版に至ったストーリーがあるなら、それをブログ記事にして投稿すると販売促進にもつながります。

    以下記事には多くの反響があり、直接的な効果測定はできていませんが、販売促進に役立ったものと感じています。

    吃音症のぼくは、職業「ライター」に人生を変えてもらいました。

    電子書籍のカテゴリー再申請

    「KDP(kindle direct publishing)の手続き」で少し触れたように、KDPを介した出版時に設定するカテゴリーは、そのまま適用されないことがあります。

    その場合、Amazon(KDP)のこちらのページから、直接Amazonへカテゴリー変更の要望を出すと、カテゴリーが希望のものに変更されます。

    出典:Amazon「KDPについてのご質問のお問い合わせ

    連絡すると、どのような情報を提出しなければならないか、Amazon担当者が丁寧に教えてくださるはずです。

    電子書籍に関連するカテゴリーのうち、より小さなカテゴリーに登録したほうがベストセラー表記がつきやすいため、希望通りのカテゴリーにならなかった場合はこちらから変更することを推奨します。